中山恒明デジタルアーカイブス 中山恒明デジタルアーカイブス

中山語録 治るのは患者さん自身、
医者はその手助けをする

 中山恒明は「人は誰でも自分の身を守るための自然治癒力を備えている。わかりやすい例は、骨折は整復して固定して置けば、あとは患者さん自身の自然治癒力で自然に治る。すなわち、治るのは患者さん自身、医者はその手助けをする」と医局会でいつも強調しました。
 患者さん自身を信じ、患者さんの自然治癒力をいかにして引き出すか、ということを念頭に置いた診療こそが中山恒明の医療理念でした。
 これは、病床にあった恩師の瀬尾貞信教授の代理で食道がん患者の手術を行ったときに、術中のトラブルによって、食道と胃を完璧に縫合することができず、密着させて固定しておくだけの方法をとったところ、手術に成功した経験から得られた言葉でした。