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エピソード集 栄養への着目 昭和32(1957)年頃

 若い頃の研究分野はすべて食道がんを治すための基礎研究の副産物でしたが、昭和22(1947)年の教授就任にあたり、改めて「食道がんを治る病気にしよう、胃がんで死ぬことのないようにしよう」という目標を定めました。しかし研究分野は食道がんや胃がんの手術方法に留まらず、手術後の食生活の重要性についても着目しました。胃の手術後に栄養が低下すると、抵抗力が落ち、肺炎や感染症を起こすので、患者に正しい栄養指導をして、毎日食べている食事の栄養がどのくらいあるか自分で計算することを薦めています。
 今でこそ、栄養への着目は当然になっていますが、その慧眼には敬服します。

栄養への着目